禁煙メソッド

禁煙をしている。

禁煙は幾度となく失敗に終わってきた。直近のがもっとも長く、約10ヶ月続いた。

吸った理由は覚えていないが、ただ春の世の夢の如く、はかなく煙にまみれて今である。

 

辛くはない。辛くはないのだが、何かもの寂しい。

「こんなときタバコを吸えればっっっっっ.....!」って思うタイミングも有るには有るが、ちょいと我慢してみればすぐどうでもよくなる。

 

禁煙を始めるたびに喫煙者にうざがられてきた。

「どうせやめられない。」「結局どっち派なんだこのコウモリ野郎!」

そんな事をやめるたびに言われる。

どっちかに属さなくちゃいけないのか。どっちも心地いいのだこちとら。

 

ただ、今回はやめるつもりである。

なぜならおいしくないのだから。

頭くらくらするんだよあれ。苦しいし。

 

タバコを吸うと、何か解決するかのような幻想があったり、リラックス効果があると思ってみたり、頭を切り替える手段だと思ってみたりしていた。

でもそのどれも、タバコがなくてもできるのである。そんな事すら、タバコを吸っている俺にはわからないのである。

 

とことんタバコを嫌う。嫌わないとまた吸ってしまいそうだ。

そんな時、俺が使う禁煙メソッドとして

 

ダサい先輩スモーカーが、タバコ燻らせながら言ってたダサイセリフ

 

を思い出す事が挙げられる。

 

ダサい先輩はこう言った。

 

「タバコってのはさ、アイコンなんだよね。俺は『ワル』っていうことを知ってもらうサ。」

 

かぁ~~~~~~っ。

だせぇ。

 

あいつの顔を思い出すだけで吸いたい意欲なくなるわ。

 

ちなみにその人は、

「○○(筆者)も港区住んでみてぇだろ?結婚式で住所書くとき、港区って書きてぇだろ????だろ???」

とか言ってて俺の「港区住みたい欲」も一挙に掠め取っていった豪の者である。

 

俺はタバコを吸わないし港区に住まない事も、ここに誓う。